ライコポディウムLycopodiumはシダ植物で、見た目は裸子植物に見えます。和名は「日影の葛(ヒカゲノカズラ)」といい、お寿司に添えられているのを目にしたとがあるかもしれません。レメディーはこの植物の熟した粉末の胞子から作られ、酸化アルミニウムやリン酸、硫黄、シリカ、そしてリコポダイン等の少量のアルカロイドを含んでいます。リコポダインには副交感神経の興奮作用があることがわかっています。「日影の葛」の名とは違って日当たりを好みます。
Lyc.ライコポディウムの概要
上半身はやせていて、筋力が弱い、虚弱なタイプです。身体に比べて頭と臀部が大きめです。歯は黄色いかもしれません。顔色は青白いか、土色がかっています。消化力に問題があり、食欲があってもすぐにお腹にガスが溜まって喉が渇く子供。精神的な心配や緊張が胃症状として現れます。足裏や脇の汗はネバネバして悪臭がします。循環が良くないので手足は冷たいのですが、左右で温度差(片方冷たく、もう一方は温かい)があったりします。耳も片方だけ赤く熱を持っていたりします。
皮膚は乾燥していて硬化傾向があります。かかとの皮膚のひびわれや眼角のひび割れ、湿疹、膿瘍、じんましん等は暖かさで悪化し、痒みが増します。
年齢不相応に白髪が見られるかもしれません。また、眠っている時は、目が半分開いている(半眼)の傾向があります。
それでは、精神的特徴から順にみていきます
内弁慶で自信が無い子供
怒りっぽい 家庭の中では怒りっぽく、思い通りにならないとかんしゃくを起こし、特に甘い親に対しては横柄で暴君のような言動をします。
朝起きるとイライラしていて、反対されることや否定されることに我慢できません。 一方で音や匂いに過敏に反応し、怖がりで特に雷、お化けや暗闇、大きな犬を怖がります。 怒りが昂じると、食べたものを大量に吐き戻したりします(アセトン血症:自家中毒=Sep.Phos.)。
自分よりも幼い弟や妹はイジメる対象になり、威張ります。
屈辱や不満を我慢することで身体に不調(肺炎など)を来します(Staph.)
触れられることも嫌がる子供です。
予期不安
基本的に自信が無いので安全志向でとても慎重な子供です。新しいこと、未知のものをとても恐れます。失敗しないように慎重に準備をするので大抵結果は良好です。何でも先送りする傾向があり、チャレンジを避けようとします。 Puls.ポースティラさんはいつでもお母さんを求めますが、ライコさんはお母さんでなくても、誰かが同じ家にいれば安心します。(一人は大嫌いだけど、誰かと一緒に居たいわけでも無い!) 小さい頃はレンジャーものに夢中になりますが、成長と共に家の中でゲームや本で静かに遊ぶ傾向が強くなります(頭でっかち)頭は良いのですが、記憶力はあまりよくありません。また、難読症(ディスレクシア)・文字の読み書きに問題があるかもしれません。
消化力が弱い
食事や精神的な原因からも、消化器系に問題を起こしやすい。胃酸過多でガス腹になりやすい傾向は予期不安や夜食などでも悪化します。げっぷやおならをするといくらか楽に。繊維質の多いキャベツ、豆類、パン、牡蠣や魚介類などで悪化します。タマネギは受け付けない傾向(=Thuja)犬の様な食欲ながら(Ant-c.)、少し食べただけで、鼓腸が悪化し、お腹がごろごろと鳴り下痢になります。通常は沢山食べて、食後すぐに眠くなります。食べ物が酸っぱく感じられ、分泌物も酸っぱい匂いがします。
身体が冷えているので温かい食べ物、飲み物を好みます。 大人も子供も甘い物に目が無く、チョコレートも大好きです。
舌は乾燥していて、舌の裏側と先端に潰瘍ができることがあります。 喉の渇きは無い方です。
全体像が合えば、若年層の便秘や軟便、過食症、十二指腸潰瘍、肝炎などにも使われます。他に、痛みの強い痔核(お風呂で和らぐ)。 Lyc.は肝臓代謝に作用があるレメディーです。 体質はタンパク質分解の障害があり、成長して肝臓に問題が及びます。胆汁分泌の障害も加わり、食後悪化する胆管結石や胆のう炎を生じます。また、高脂血症で、総コレステロール値、トリグリセリド値は高くなる傾向です。(酸性の血液にはNat-p.~ティッシュソルトとして12Xなどで~摂ると良い)
呼吸器系の問題
喘息、締め付ける胸の痛み、チクチクする咳、粘液は塩気があります。
夜ムズムズしたくすぐったいような咳が出て、眠りを妨げます。 喘息や肺炎は右肺(右葉の下部)、特徴的な鼻翼のピクピクする動きを伴ないます(Ant-t.Phos.)。深い空咳が出て、粘っこい痰を排出してもあまり楽になりません。鼻と副鼻腔が乾燥し、鼻詰まり(Kali-bi)口呼吸が日常化しているかもしれません(Nux-.Samb.)。
腎泌尿器系の問題
膀胱炎では、尿が出始めるまでに時間がかかります。
小さい子供は出るまでに痛みから泣き出します。(ライコの赤ちゃん:参照)
主には年齢と共に現れてくることが多いですが、石を作りやすい尿酸体質で、尿路結石、腎結石、前立腺の問題等の傾向があります。 性欲は過剰ながら、インポテンツの傾向。
右側、または右から左へ、4時~8時p.m.悪化する症状
ライコポディウムは右側、または右側から始まるという特徴が顕著です。
(=Bell.Bry.Caust.Mag-p.)(左側の代表格はLach.)
例えば咽頭炎は右扁桃から始まり、寝起きと冷たい飲み物で症状は悪化します。
中耳炎、坐骨神経痛、頭痛等も右側から始まります。 他に、暑さや天候の変化、寒冷や湿気で悪化、外気で好転します。
ライコの赤ちゃん 逆子で生まれた赤ちゃん。(妊娠中の逆子はPuls.) 赤ちゃんは怒りっぽく、眉間にしわを寄せしかめっ面をしていることがあります。 朝や昼寝から覚めるとかんしゃくを起こし、蹴ったり泣き叫ぶことも。 夜はよく眠りますが、日中はずっと泣いている、概ね気難しい敏感な赤ちゃんです。 痩せていて、あらゆる所につまりを起こし易い。 特にお腹にガスが溜まりやすく、便秘は便意があるのに便が出ません。 尿に赤い砂のようなものが混じりおむつにつきます(Phos.)。(尿砂/タンパク/尿円柱/赤血球など) 黄色い乾燥した鼻くそが鼻、副鼻腔が詰まる(特に右側)。その為に口呼吸になります。生後直ぐに鼻かぜをひいた赤ちゃんに考慮するレメディーNO.1レメディーです。痩せていてお腹にガスが溜まりやすいライコタイプの新生児鼠径ヘルニア(特に右側)や新生児頭部皮膚炎にも考慮すべきレメディーです。
ライコさんの妊娠出産
妊娠中は吐き気があり、便秘は便意があっても出てこない。背中の下部が強張り、腰痛。鼓腸を伴ないます。 身体は強張り、手根管症候群、関節痛、腰痛を生じる傾向。分娩はなかなか進まず、分娩中不安で落ちつきが無くなり、身内には横暴になる傾向があります。 出産から脱毛がおき、過敏になることも。赤ちゃんに嫌悪感を抱くかもしれません。 妊娠出産が初めての場合、特に予期不安から気難しくなりますが、不安や緊張を払拭するために下調べや準備を怠らないのもライコさんの特徴です。 結果、想像した以上の素晴らしい結果がもたらされます。 母乳育児では右側だけ母乳が出る(Lach.は左側)
ライコさんの子育て~以下はホメオパスの主観です~
内弁慶で身内には横柄で悪知恵もはたらくライコさんに、心中穏やかな子育てができる親は少ないかもしれません。外面は良く、成績も良いので対面は保てますが、子供の本当の幸せを考えると親の悩みな尽きないでしょう。身体は成長しても、感情的にいつまでも子供で、偉そうな口をきく子供です。
D.Grandgeorge.MDは、「人生の初期において、親や年長者、兄姉、先生などから言葉により非難され続けた経験を持っているかもしれません。失ってしまった権力、高潔さや威厳を取り戻したいと思っているが、それをする自信が無い」と称しています。
もし、ライコさんに不安や心配、嫌悪を感じるのであれば、ご自身の在り方を見つめる必要がありそうです。恥をかきたくないからといった理由であっても、無い勇気を振り絞って結果を出すライコさんの姿は、親の姿そのものです。心底やりたくないことでもやってきたご自身の一部分を嫌悪し、自分を責めて認めてこなかったのかもしれません。
または、その様なご自身の親を嫌悪してきたのかもしれません。
いつも問題があると感じるところに成長の鍵があります。親自身の成長と子どもの成長はいつも合わせ鏡です。 我が子に見る、成長が必要なところを真摯に受け止めて、自分育て=子育ての視点とするとどんなにか周りの人の温かさを受け取れるのかに気付かされるでしょう。 「ホメオパシー心理学/フレグランスジャーナル社」にはこのように書かれていました。 ライコさんは無意識で、「自分は人に受け入れられない」と感じているので、温かく迎え入れられた時や真価を認められた時、泣いてしまう傾向があります。
健全な状態になるとライコさんのそんな繊細で優しい面が現れてくるでしょう。
将来とても良い父親(母親)になります。なぜなら子供の心をそのまま残しているからです。
ご注意
※ライコポディウムは前述の通り、全体像が合えば、あらゆる症状に適用されるレメディーです。特に、慢性的な根深い症状に使われますが、他のレメディーを先に使ってから使います。植物レメディーですが、深く長く作用するので、改善が始まれば頻繁に使用するものではありません。 ご心配な時にはホメオパスにご相談ください。 ★ホメオパシー健康相談のご案内はこちらから ★潜在意識からしあわせになるカウンセリングはこちら ★お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ
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